突然始まったダブル介護 〜2022年秋、始まりの日〜

2022年の秋、ある日の仕事帰り。
旦那さんと待ち合わせて二人で美味しい洋食を堪能している最中に、いきなりスマホが鳴った。

お父さん?
メールは来ても、電話なんてめったにない。
何かあったのか?
緊張しながら電話を取ると、7月に家の中で転んで圧迫骨折したという。
「え?大丈夫なん?」
「コルセットをしてるけど、まだ痛い」
「……そっか」
「……で、お母さんのことだけどな、これは俺からはうまく説明できないから、
電話を代わるから」
「???」

電話が弟に代わる。

弟によると、お母さんが寝たきりになった、認知症だと思う。
姉ちゃんに何かしてもらおうとは思ってない。
もう話ができなくなるかもしれないから、早く会っておいたほうがいいと思って電話したという。

頭が真っ白になった。
え?なに?寝たきり?話ができなくなる?
どういうこと?何がどうなってるの?
「寝たきり?いつから?」
「んー、まあ、1か月くらい前からですかね〜」
普段通りの弟の口調に内容の深刻さがちっとも見合ってない。
全く状況がわからない。電話じゃ埒があかない。

「とりあえず、私もいま仕事を急に休める状況じゃないから、明後日の土曜にそっちに行くから」
と言って電話を切った。

*

食欲はすっかりなくなった。
最後に食べようと残しておいた大好物のエビフライも旦那さんに食べてもらった。
その日はなかなか眠れなかった。

次の日は仕事だったけど、ずっとうわの空だった。

何が起こっているんだろう。
これから私は、何をどうすればいいんだろう。
わからない。どうしたらいいのか、全然わからないよ。

*

あの電話から、私を取り巻く世界が一変しました。
「ダブル介護」の始まりです。

母のことで父と揉めたり、弟とケンカしたり、認知症が進んでいく母の姿に
驚いたり悲しんだりしました。
ケアマネージャーさんなど専門職の方とのコミュニケーションに悩んで、
地域包括支援センターに泣きながら相談したりしました。

ゴミ屋敷と化した実家から、手がちぎれそうなほどの重い荷物を持って帰る日々に
嫌気が差したので、持って帰るのは気が向いた時だけ、なんていう手抜きも覚えました。

*

このブログは、そんな私の日常を綴っていく場所です。

完璧な介護のノウハウをお伝えする場所ではないし、
専門的なアドバイスができるわけでもありません。
いまも迷いながらの介護で、ああすれば良かった、こうすれば良かった、
と悔やむことばかりです。

ただ——同じように「突然介護が始まった」という方に、「あ、こんな人もいるんだ」と思ってもらえたら、「ひとりぼっちじゃない」って感じてもらえたら、もうそれだけで十分です。

迷宮の中にいるような毎日です。けれどこの迷宮はいつか必ず終わりが来てしまう。
両親との時間は有限です。だから今日も歩き続けています。

まずは読んでくださって、本当にありがとうございます。